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 大阪に引越しをした後、生活のために、みなみにある飲食店で働いた。生活のため、俳優と調理師の両立は難しく、いつしか、俳優になる夢は諦めていた。


大阪みなみの飲食店は、大きな雑居ビルの一室にある小さな個人経営のお店で、1軒さんが来る事はまずなかった。オーナーと従業員は私が1人という息が詰まるような勤務体制であった。

料理は様々なジャンルを扱うお店で、和食から洋食まで幅広くお客さんに提供していた。

夜から朝までの営業時間であった。夜18時からの営業で、主にスナックの同伴のお客が多かった。スナックの同伴組が来る時間が終わると、お店は一時的に暇になり、その後、スナックが終わる時間になると、また、アフターのお客さんで忙しくなる。また、スナックへの出前もよくあった。完全にスナックのお客をターゲットにしたコアな飲食店であった。


この、大阪みなみの飲食店での生活が、本当にきつかった。肉体的、精神的にも追い詰められた。


オーナにはよく言われたことは、逃げるなと、犬でも恩は忘れないので、恩を返せと言うことであった。何かある度に、この逃げるなと、今までの恩を忘れたのかと繰り返し言われて、どうする事もできなかった。


たしかに、オーナーは田舎から出てきた、無一文のわけわからない青年の面倒をよく見てくれと思う。また、頼れる良い兄貴分的な存在であった事は確かな事である。


オーナは完璧主義者で本当に厳しい人であった。自分自身の人格や能力、あらゆる事を否定されて、自分はなんて無力でダメな人間だと叩き込まれた感じがする。無力な自分を知らなければ、天狗になるだけなので、若いときにそれが知れて、良かったのかもしれない。まさにアリストテレスの「無知の知」の境地である。